『くるみんマーク』って、子育てに優しい企業なんだよね?実際どうなの?
くるみんマークの企業に就職するのはアリ?
男性も育児休業、取りやすいんだよね?
子育てサポート企業として、厚生労働省が認定している「くるみんマーク」という制度があります。
実は医療現場ではくるみんマーク認定企業であっても、実際に子育て世代が働きやすいとは限りません。なぜなら、法人単位で取得していることや取得年から経過しているため、実際の勤務状況と解離が起きやすいためです。
今回は現役で働く女性介護士さんからのインタビューを基に記事執筆しました。
蓮さん(仮名)
- 現役看護師(経験年数10年)
- 30代前半・女性・3児の母
- くるみんマーク取得法人の病院勤務(転職経験あり)
- 急性期病棟所属
本記事では実例紹介として、私の知人でくるみんマーク取得法人病院の現役看護師の蓮さんからの体験談を軸としています。
本記事を読むことで実際にくるみんマーク取得している病院に勤務している医療従事者の方のリアルな声を知ることが出来ます。くるみんマーク取得企業の注意するポイントが分かる。
結論:くるみんマーク=子育てに理解がある職場とは限りません!
子育て世代には働きづらい職場でもくるみんマークを取得している可能性があります。
※くるみんマークを取得している全ての企業を否定するものではありません。あくまで一事例として参考にしてください。
【実体験】くるみんマークは意味ない!長時間労働は当たり前|時短勤務なのに、フルタイムよりも長時間に…
蓮さんからの話(くるみんマーク取得法人の病院で勤務)では
- フルタイム勤務中は定時17時30分でも21時過ぎまで残業。
- 時短勤務(定時15時30分)にしても、定時で帰れることは少なく、19・20時を過ぎることもある。
- 時短勤務制度を利用しづらい(実際に取得したときに先輩・同僚に嫌味を言われた…)。
- 慢性的な人手不足で結局休みづらい(子供の急な風邪、有給休暇など)。
- 子の看護休暇(特別休暇)は存在しているが、無給のため、結局使えない。
といった、現状があります。
「くるみんマーク」がある病院だから転職したのに、子育てに協力的じゃなかった…
蓮さんの話から
- 残業から逃れられない
- 時短勤務が機能していない
- 急な休みに対応してくれない
- 子の看護休暇が無給対応
が問題でした。それぞれ深堀していきましょう。
くるみんマーク意味ない?実体験①:残業
子育て中だからと言って、残業しないような制度とはなっていません。
結局、人手不足であれば、残業しないといけないし、子育て中だから優遇されることもありません。
定時17時でも残業で21時過ぎることもありました💦
子育てしているからとか関係なく、単純に人手不足が深刻すぎて、どうしようもないって感じでしたね…みんなが疲弊していました。
くるみんマーク意味ない?実体験②:時短勤務
蓮さんの職場では就学前の幼児がいる場合(小学校入学前)は時短勤務の取得が可能です。
実際に時短勤務をしてみてどうでしたか?
時短勤務になり、確かにフルタイム勤務よりは帰宅時間が早くなりました。
でも、定時15時30分でしたが、残業で遅い時には19時すぎとかでしたね💦
辛いですね…時短勤務が意味ないですね…
他に問題などありませんでしたか?
時短勤務になる際に、先輩や同僚から「人がいないのに、時短とか言われても困るよね。」と、心ない言葉を言われました…
制度としてあっても結局利用できずに諦める方も多かったですね。
時短勤務制度はあっても、機能していなかったり、職員の雰囲気が悪かったり辛かったですね…
それでも自分で勤務時間内にできることに優先順位をつけるなどして、定時は厳しいですが残業時間を少しずつ減らせたので、時短勤務を選択したことはよかったです。ただ、病院として改善して欲しい点もありますが。
くるみんマーク意味ない?実体験③:急な休みへの対応
子育て世代では避けては通れない、子供の急な休み問題。くるみんマーク取得法人病院でも…
子供が急に熱を出したり、コロナ関係で登園できなかったり、急に出勤できないことがあります。そんな時も結局は人手不足が原因ですごく休みづらいです。
くるみんマーク意味ない?実体験④:子の看護休暇
子供の看病などを理由に休んだ場合に『子の看護休暇』という特別休暇が存在します。
ただし、子の看護休暇は有給(給料がもらえる)と無給(給料は発生しない)場合があります。
私の職場は無給でした。休んでしまうと給料が減額されてしまうので、結局は子の看護休暇ではなく、有給休暇を消化で対応してました。
「子の看護休暇」のメリットは欠勤ではないため、人事考課・評価には影響しない点です。通常、欠勤が多い場合は「給料の減額+人事考課・評価も悪くなる」可能性あり。ただし、「子の看護休暇」による欠勤の場合には、欠勤を理由に人事評価を下げてはいけないルールがあります。
ただし、真面目に働いている労働者にとっては、給料が減額されることが問題なので、結局は子の看護休暇を使わずに有給休暇を使用してしまう。他の用事・休養のために有給休暇を利用できなくなります。
「子の看護休暇」が有休なのか、無給なのか入職前に確認してください!
「くるみんマーク」とは:意味ないの?
くるみんマークの説明を始めにさせてもらいます。
「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証です。次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができます。この認定を受けた企業の証が、「くるみんマーク」です。
厚生労働省:くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて
つまり、子育て世代が働きやすい職場ですよ!って、厚生労働省からお墨付きを受けている企業になります。
子育て世代にとって
- しっかりと育休が取れるのか?(女性も男性も)
- 子供の風邪や病気のときに、休めるのか?
- 長時間労働になっていないのか?
など、気になるポイントはたくさんありますよね。
『くるみんマーク』は一定の基準をクリアした(もしくは、数年前にクリアしたことのある)企業となります。
「くるみんマーク」があっても子育てに理解がある職場とは限りません!:意味ないのか?チェック項目を紹介
「くるみんマーク」があっても子育てに協力的かどうかは分かりません。
もちろん、子育てに手厚い対応で協力的な企業・職場はあります。ただ、くるみんマーク取得企業であっても、本当に子育てに協力的かは別問題です。
理由としては
- 法人単位で取得するため、職場によって子育てへの理解度が全然違う
- いつ取得したのかによる(5年以上前では現状と違うかも)
- くるみんマークの取得条件が割と簡単⁉️
くるみんマークは法人単位で取得
企業や法人単位での取得となります。
例えば、〇〇医療法人がくるみんマーク取得したとなっても、複数の病院・複数の施設を経営していれば、職場によって状況が全く異なります。
同じ法人内でも、職場や人間関係が変われば、そりゃ働きやすさは変わりますよね。
いつ取得したのかに注目
くるみんマークをいつ取得したのか、確認しましょう。
5年以上前に取得している場合は現状と異なる可能性があります。
確認は【厚生労働省:認定企業名都道府県別一覧】で取得年と認定回数を確認できます。
「くるみんマーク」の取得は意外と簡単⁉️
「くるみんマーク」は子育てサポート企業として厚生労働大臣から認定を受けた企業です。
認定条件(2022年4月1日前後で要件に違いあり)は
- 雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な一般事業主行動計画を策定したこと。
- 行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること
- 行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと
- 行動計画を公表し、労働者への周知を適切に行っていること
- 男性の育児休暇取得が10%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。(緩和条件あり。下記に解説あり)
- 女性労働者の75%以上が育児休暇取得であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。(緩和条件あり)
- 3歳から小学校就学前の子を育てる労働者について、「育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置又は始業時刻変更等の措置に準ずる制度」を講じていること
- 労働時間数について(下記に解説あり)
- 3つのいずれかについて成果に関する具体的な目標を定め、実施していること(下記に解説あり)
- 法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと
5:男性の育児休暇取得について
計画期間において、①または②を満たす事。
- ①配偶者が出産した男性労働者のうち、育児休業等を取得した者の割合が10%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。
- ②育児休業等または、類似した企業独自の休業制度を利用した男性労働者が20%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。かつ育児休業等を1人以上取得。
男性の育児休暇は1日でも取得すればOKなので、有給休暇を育児休暇としてしまえば、本当に育児に協力的と言っていいのかは分かりません…
※労働者300人以下の企業では、育児休暇等や企業独自の休暇制度を利用していなくても、一日でも子の看護休暇を取得したものがいればOKなど、かなり緩い合格条件となります。
8:労働時間数について
①及び②を満たすこと。
- ①フルタイムの労働者の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満
- ②月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいないこと。
9: 3つのいずれかについて成果に関する具体的な目標を定め、達成していること
- ①所定外労働の削減のための措置
- ②年次有給休暇の取得の促進のための措置
- ③テレワークその他の働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置、在宅勤務、短時間正社員制度
【まとめ】「くるみんマーク」は意味ない?過信するのは危険です!!!
今回は現役看護師の蓮さんからお話を軸に「くるみんマーク」について解説してきました。
私はくるみんマーク取得法人でしたが、勤務している病院は決して子育てに協力的ではありませんでした😭
くるみんマークは厚生労働省が「子育てをサポート企業」に対して、一定の基準で認定している制度です。
確かに、くるみんマーク取得して子育て世代が働きやすい職場がたくさんあることは事実。くるみんマークそのものが必要ないと言っているわけではありません。
「子育て世代の方はくるみんマークがあるから大丈夫!」とは思わないようにしっかりと情報収集をしてください。
くるみんマーク取得企業でも、子育てしづらい企業は実際にあります!
蓮さん(仮名)
- 現役看護師(経験年数10年)
- 30代前半・女性・3児の母
- くるみんマーク取得法人の病院勤務(転職経験あり)
- 急性期病棟所属
なぜ、くるみんマーク取得していても働きづらいのか?理由は
- 法人単位で取得するため、複数の病院や施設を経営している場合は特に職場によって子育てへの理解度が全然違う
- 取得した時と現状が変わっている(5年以上前の取得は危険かも)
- くるみんマークの取得条件が割と簡単かも⁉︎
もちろん、くるみんマーク取得していて非常に子育て世代が働きやすい職場もたくさんあります。確率としては、くるみんマーク取得企業の方がより高いとは思いますが、自分の就職希望・転職希望先が子育てに理解があるのか?という目線で調べてください。
私の職場はくるみんマークはありませんが、子育てに理解がある職場です。実際に私(男性)も1年ほど長期の育休を特に問題なく取得できました。
それぞれ、職場ごとに状況は違いますので、採用試験応募前・転職前に情報確認をお願いします。
でも、自分ではどうやったら調べられるのか?不安になりますよね。
そんな時は転職サイト/エージェント経由であれば、匿名で確認してくれます。
今回はこのへんで
ありがとうございました😁