転職先として病院と思っているけど、どこが自分に合っているかな?
急性・回復・維持期って具体的に何が違うの?
病院を選ぶ上で何を見ればいい?
最も多くのリハ職(理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST))が勤務する病院
就職先を決める際に重要なポイントである急性期・回復期・維持期(療養)はそれぞれどんな特徴があるのか?分かるようで、良くわからないですよね
私(hamaguri)は現在はホワイトな急性期(三次救急)病院で勤務しています
病院で急性期(二次・三次救急)5年・回復期3年・維持期(療養)2年ほど勤務した経験があります
本記事を読むことで【急性期】【回復期】【維持期(療養)】の特徴とメリット・デメリットをリハ職(PT・OT・ST)視点から知ることが出来ます
PT・OT・STが転職先を選択する上で、病院に行くなら絶対に知っておくべき内容となります
【転職初心者向け】56.9%のPTが病院勤務!急性期・回復期・維持期(療養)違いは?
日本理学療法士協会会員統計情報(2021年3月末)からhamaguriが計算すると全体の約56.9%が病院に勤務しています
就職先と言えば、病院なのかな?
と思ったことがあるのでは無いでしょうか?
全国に8,221病院(厚生労働省 医療施設動態調査:令和3年4月末(6月30日発表))があります。例えば、東京都には638病院、大阪府には512病院、最も少ない鳥取県にも43病院があります
因みに一般診療所は全国に103,426施設があります
自分の住む地域や通勤範囲を考えた際になんとか通える病院はいくつありますか?
でも、東京都内に600以上の病院があるとなるとどこが良いのか、判断出来ませんよね
今回は【急性期】【回復期】【維持期(療養)】の大きく3つの病気の発症からの時期別それぞれの特徴とメリット・デメリットをリハ職(PT・OT・ST)視点からまずは知ってもらい、転職活動の参考にしてみてください
【急性期】発症直後の不安定な時期に介入 介入期間は2週間程度
2週間程度で転院or自宅退院が多い
リスク管理・医学的知識を学ぶならベスト
病態自体が不安定な時期
1週間〜1ヶ月程度の入院が多い。病院にもよりますし、疾患によっては3ヶ月以上の入院となる患者さんも少なからずいます
急性期病院・病棟といっても、軽症なのか、重症の方までいるのか、など病院の機能によって大きくとことなります
病院の公式ホームページには一次/二次/三次救急指定病院などと書いてあります。ある程度の重症度などを判断することが可能です
救急指定病院とは、消防法2条9項により1964年の「救急病院等を定める省令(昭和39年2月20日厚生省令第8号)」に基づき、都道府県知事が告示し指定する病院である。救急告示病院ともいう。
Wikipedia:救急指定病院
- 【一次救急】軽症者を対応する目的で基本的には自身・家族の付添で自力で受診。例えば、夜間休日急患センターや開業医などが当番医として対応する。
- 【二次救急】24時間対応で手術・入院対応が可能な病院。
- 【三次救急】二次救急では対応困難な中等症・重症な救急医療を担当。大学病院やその地域の中核を担う病院など。
とざっくり認識してもらい、自身が転職先として考える上で病院が『◯次救急指定病院』となっているかでどの程度の救急医療に触れるかを判断する基準となります。
経験則からお話すると、二次救急と三次救急いずれでも人工呼吸器を装着しながら、頭部にドレーン(管)が入った状態の重症患者さんにリハビリ介入することはあります。しかし、患者さんの絶対数が大きく違う傾向にある印象です
【回復期】疾患自体が安定してきてリハビリが中心
- 回復期は疾患自体や治療が安定した後にリハビリを中心とした入院・治療期間のこと
- 疾患自体の回復段階にあり、患者さんが良くなっていくことを実感出来る時期
- 1〜6ヶ月入院の事が多い
- リハビリ中心でリハ職が最も活躍出来る
回復期病棟で入院は疾患による日数制限があります
- 脳血管疾患や脊髄損傷など:150日
- 高次脳機能障害を伴った重症脳血管疾患や重症脊髄損傷など:180日
- 整形(骨折・骨折等の術後など):90日
- 廃用症候群:90日
などが代表的な疾患となります
勿論、全ての患者さんが上記期間を入院する訳ではありませんが、急性期と比較すると明らかに入院期間が長い傾向にあります
上記期間以上入院となるとリハビリ回数が激減することになるので、その期間を過ぎないように退院を段取ることが殆どです
【維持期(療養)】疾患自体は固定してくる時期で長期入院となりやい
- 病状自体はある程度固定してくる
- 2ヶ月以上〜1年など長期間の入院となりやすい傾向
- 退院先は施設(or自宅)が多い
リハビリをしてどんどん患者さんが良くなっていく時期ではないので、経験が浅いリハ職だと自分の治療介入が正しいのか分からず、やりがいは感じづらいかもしれません
しっかりと職場に教育体制があるかどうか、リハ職の人数が複数人いるかどうかなど、転職先の判断基準になります
急性期5年・回復期3年・維持期(療養)2年のhamaguri体験談
hamaguriは同じ病院内に急性期病棟と回復期病棟がある病院でも勤務していた時期がありました
急性期で担当していた患者さんは回復期でどんどん良くなり、しっかりしていて日常生活自立するような方でも急性期のことは覚えてなかったりすることが多いんですよね
回復期スタッフの方が直接患者さんに感謝される機会は多いような印象があり、やりがいとかモチベーションなどは感じやすいと思います
勿論、そこはそれぞれの療法士の考え方・感じ方によりますが。
それでも、急性期での介入の重要性を感じて、今は急性期病院で良かったと思っています
維持期(療養病棟)で働いていた時は新卒後すぐに配属されて、リハビリしたからどんどん良くなる訳ではなく(PTとしての能力も低かったこともありますが)、やりがいを感じづらかったです。でも、今思い返せば、介助で車椅子に乗れることで家族との出かける時間を作れる、拘縮予防をすることで着替えやおむつ交換の度に痛い思いをしないで出来ることの重要性を感じ、それぞれにやりがいは感じるとは思います
いずれにしても、どこに魅力を感じるかはそれぞれの療法士次第!
特徴をしっかりと理解しておきましょう!
【まとめ】病院勤務なら、急性期・回復期・維持期(療養)の特徴を理解するべき
【急性期】医学的知識・リスク管理を得やすい。突発的な業務・書類業務が多い傾向。
【回復期】リハ職が中心の職場。リハビリとしての治療転換を学ぶには良い環境。教育もしっかりしている職場が比較的多い印象。疾患自体が回復期段階でもあり、やりがいを感じやすい
【維持期(療養)】突発的な業務は少ない。疾患自体が固定してきているため、リハビリによる改善を感じづらい。
今回は【急性期】【回復期】【維持期(療養)】それぞれ全てで年単位で勤務してきた経験から、それぞれの特徴とメリット・デメリットを書かせてもらいました
転職初心者の方に転職先候補として病院を選ぶ際に判断する1つの基準として知ってもらえれば嬉しいです
転職先を探しているとどうしても、病院の募集が多くなります。その際になんとなく「家から近いから」「なんとなく良さそう」という理由で就職すると、
思ってたんと違う…
と後悔しないように、病院の概要を捉えてもらえれば幸いです
今回はこのへんで
転職を考え始めたリハ職(PT・OT・ST)の皆さんに少しでも役に立てれば幸いです
ありがとうございました!
病院以外はどんな転職先があるのか、転職先の全体像を知りたい方は【【現役理学療法士が解説】病院だけじゃない!?転職先候補8選と特徴】をご覧ください